今回はサンディエゴ移住者、生活者向けに Googleが提供している電話サービス Project Fi について書きたいと思います。(サンディエゴに限らずアメリカ生活者の方も読む価値アリです)
特にアメリカに移住してきたばかりの人にとってアメリカのケータイ電話会社、大小多すぎてどれを選べばいいのか困る人も多いと思います。そこで私がイチオシで勧めたいのがこのサービスです。
実はわたし現在の生活をする前は某日系海外用Wi-Fiレンタル会社のアメリカオフィスで働いていたのですが、その会社がアメリカ市場から撤退した要因の一つになった「破壊的」なサービスだと私は考えています。
一言で表現すると「ムダがない」、とても効率的なサービスなのですが、具体的に何が良いかを「サービス概要」、「メリット」、「こんな人向け」という軸で順に説明します。
【サービス概要】
次のようなプラン体系になっています。
- 無制限通話テキスト:$20/月
- LTE/4G/3G/2Gデータ:$10/GB
- 使わなかったデータ量は料金控除
- 6GBまでの超過分も同じ$10/GB
- 6GB-15GBは追加料金無し
- 15GB以降も256kbpsの低速で無料使用可能
- 通常スピードを15GB以降も使いたい場合は同じく$10/GB
- テザリング追加料金無し
- 170か国でローミング料金無くデータとテキスト利用可能
[その他]
- 年契約不要
- 解約料金不要
- 5人までデータプランシェア可能
- タブレットへのデータSIM無料提供
- Fi アプリがデータ量をモニターし、事前設定した目安を超えそうな時に通知
【強み・メリット】
要はどういうことなのかを説明します。
- Fiのプラン下では3つのキャリアの電波を受信することができ、自動的に最速の4GLTE電波に繋がるような独自の仕組みになっている(T-Mobile, Sprint, US Cellularと提携)
- 無駄のないデータプラン体系。使った分だけ課金で使い損/使わなかった損が無い
- 海外で使っても、データとテキストに関してはUS国内の料金プランと一緒の扱い (もちろん日本もサービス提供対象です)
- 海外でもLTE提供圏内にいればLTE接続可能
- ほとんどの国でWi-Fiコール可能なので$0.20の国際通話料金もあって無いようなもの
- 全米100万か所の無料Wi-Fiに自動接続
- しかもその際はVPNでつなぐのでセキュリティも強固
【こんな人向け】
- プラン選びに迷う人/英語が苦手な人
アメリカは”Country of Options”と言われるように、健康保険にしてもレストランで注文するサラダにしてもそのサラダにかけるドレッシングにしても選択肢が多すぎて、「どれを選んだらええねん!!!」という人は多いと思います。笑
特に英語がそんなにまだできません、な人に各ケータイ電話会社のプラン内容に目を通して比較するのはなかなか難儀です。
特にそんな人たちにシンプルな料金体系で無駄のないProject Fiがオススメかと思います。このサービスだったら何GB使うから~このプランにしようだとかそういう判断プロセス一切不要です。私も一応契約前に他社のプラン色々と調べましたが、料金もだいたい同じくらいで高くもないし、むしろ他社のように「あまり使わなかったときに払いすぎる」ことがなくなることを考えればお得です。
- 日本に帰国することがある/海外旅行する人
アメリカに駐在として来ても学生として来ても、日本から来た人たちは何かしらのタイミングで日本に一時帰国したり、I-94更新がてらUS国外へ海外旅行したりする人が多いのではないでしょうか。
個人的にその頻度は重要でないと思います。「一回でも米国滞在中に米国外へ行く可能性がある」というなら、Project Fi にしておいて損はないと思います。
前述の通り、私は海外Wi-Fiレンタル会社で働いていましたので、少なくとも今現在時点までの各ケータイ会社のローミング事情、料金体系に関しては明るいです。
各主要キャリアの大きな方向性としては、ローミング料金1日定額、メキシコ、カナダなど近辺諸国にはローミング無料か格安というのが基本路線ですが、「170か国無料でLTEローミング」というものにはまだしばらくこの先勝てないでしょう。
主要各キャリアの今日時点でのローミング体系まとめます。
Verizon:130か国で、10ドル/DAYで国内プランが海外でも使える。メキシコ、カナダは5ドル/DAY
AT&T:同じく10ドル/DAY。メキシコ、カナダは15GBプラン加入で追加料金無しで利用可。※海外でのデータ量が月中50%超えると定額料金から外れて高額な従量課金。
T-Mobile:2Gの低速接続は世界で無料。メキシコ、カナダ無料でLTE接続可能。その他の国ではハイスピードデータ(3G以上)は15ドル/100MB。ワールドカップやオリンピックなどのイベントに合わせて、現地での無料LTEローミング提供する傾向あり。なお、日本には2G自体が無いので、無料で3G接続可能との情報あり。
Sprint:ご存知ソフトバンクグループの会社。2G世界で無料。日本は無料LTEローミング。その他の国は2~10ドル/DAYか10~50ドル/WEEKの料金体系
まあ・・・・何と言いますか、複雑じゃないですか?笑
あれこれ迷うくらいなら無料で国内プラン扱いの Project Fi にすればいいというのが私の意見です。
- メキシコに頻繁に行く人
サンディエゴに仕事で来られている駐在員の方の中には、「住んでいるのはサンディエゴですが勤務場所はメキシコです」なんていうマキラドーラ企業にお勤めの方もいると思います。T-MobileのSimple Oneプランはメキシコでも国内プランが使えるので魅力的な選択肢の一つだと思いますが、総合的にProject Fi は他のメリットが多いので、15GB以上必ず毎月LTEで使う!というような人でない限りは、Project Fi を選ぶのが良いと思います。
なお英語ですが、自分が Project Fi 向きかを診断してくれるページが公式サイトに設けられています。
【Finestcity.jp読者特典】
コチラから申し込むことで初月20ドルOFFになります!!!!
【既に他社契約している人向け情報】
公式のFAQを確認しましたが、同じ番号をキープしたまま、Project Fi に乗り換えできるそうです。アクティベーションを開始してから83%が15分以内の番号移行、13%が15分~24時間、残り3%弱が1日以上かかるそうで、比較的スムーズにできるみたいですね。
加えて、Project Fi で新しい番号を作って、元の番号を上書きすることもできるし、使ってみて「やっぱりもとのキャリアに戻りたい」という人でも、いつでも番号を戻せるそうです。心理的参入障壁が低いようになってますね。。。恐るべしグーグル。
【難点・こんな人には向かない】
- iPhoneや使いたい機種に強いこだわりがある人
Project Fi のサービスが使える機種は Google の Pixel、Moto、Nexusに限られています。特にiPhoneユーザーはこだわりを持って使っている人が多いので乗り換えには抵抗があるでしょう。
ネット上を調べると、裏技的にiPhoneでProject Fiを使う方法があると分かりましたが、Project Fi対応機種自体がプロセス上必要なのであまり現実的ではないでしょう。
私は Pixel 2 を使っていますが、カメラも超高画質で満足しています。前に使っていたXperia Z5よりも画素数は下がるのですが、画素だけで品質は決まらないのか、Z5よりもキレイな印象です。
- Verizon、AT&Tの電波しか受信できないところに生活圏、職場がある人
これはもうどうにもならないですね。。。笑 サンディエゴは比較的大都市なので私の生活圏でProject Fiの電波が受信できなかったことはほとんどないですが、中西部や山間部にお住まいの人などベライゾンの電波しか入りませんという方もいると思います。
Project Fiへの移行を検討している方は下記リンクからチェックしてみてください。
https://fi.google.com/about/coverage/
【日本に住んでいて Project Fi が欲しい人】
現在このサービスはアメリカ国内在住者向けにしか提供されていません。具体的なプロセスはちょっとまだ固まっていませんが、もしこの記事を読んで、日本にいるけど代わりに契約して初期設定してほしいという人がいれば手伝えるかもしれませんので、コチラまで連絡をください。ニーズが大きければ公式に別のブログ投稿でプロセス発表します。